異動のあんまり無い組織での異動打診のやり方

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異動ってなーんか揉めがちです そもそも人間って急な変化が嫌いな気がしますし、異動って言葉自体がマイナスイメージに感じる組織もあったり

今回は「異動がそんなに多くなかったり異動に対する障壁が高い組織の場合こういうやり方もあるかも?」的なものです
(辞令が出たら有無を言わずに異動!とか内示、辞令がしっかり仕組みとして根付いている組織だと別にいらない予感)

人の行動を強制的に変化させる意思決定や、インパクトがある事実や方針を受け止めもらうときにはコミュニケーション設計を丁寧にして対応するのがおすすめっす
(コミュニケーションを丁寧。じゃなくて、コミュニケーション設計を丁寧)

異動受け入れから異動後の確実な定着に向けて、人間の行動変容ステージモデルに注目してます。いかにスムーズに関心期→準備期に入ってもらい変容準備に十分な期間(1か月程度)を持つのが大事

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0.異動の背景把握

これから異動打診するわけなんですが、その前に意思決定層に以下を確認しときます

  • なんのための異動なのか
  • それによって該当者にどういうメリット/デメリットがあるのか
  • 該当者が異動する理由は何か(現上司、異動先上司が考えることも)

異動打診のために上記がない場合は、「それだと異動打診できないですねー」くらいのお気持ちで意思決定層の方に伺うのがオススメです。そして、異動先上司、現上司のどちらもこれを同レベルで理解しておくことが大事です

ここがフワフワすると、その後の対応にズレが生じて全方向にツラミが発生しますのでご担当者も意思決定層も手を抜かずにやってきましょ

1.異動の打診

概要:こんな話があるんだけどもぶっちゃけどう?なお話
参加メンバー:現上司、該当者

異動背景を一通り説明し、該当者へ向けた個人メッセージを伝えます。また異動メリットがあることも伝えていきます(デメリットも)
その時のリアクションや会話からノックアウトファクターを探ります
ノックアウトファクターが出てきたら無理に進めません。基本ストップ。伺える範囲で聞いた後に、また今後お話させてよ。くらいでおしまいにしましょう

ノックアウトファクター:異動を強引に実施すると該当者の人生に大きな毀損を発生させる要素。結果としてご退職とか体調不良とかにつながったり…

異動がやぶさかでなかったり検討余地のある場合は、異動先の上司との面談をここで設定しちゃいます。なので事前に異動先上司に空いている時間を聞いとくとよいかも

ちなみにお話してモヤモヤ発生してましたら少し時間をおいて(数日後とか)、現状の上司がもう一度話す設定をしてみます

2.異動先上司との面談

概要:異動先は超ウェルカムだよ!現上司と認識は一緒だよのお伝え&質疑
メンバー:異動先上司、該当者

とにかく「異動先は超ウェルカム!!」というのを伝えたいです
歓迎されていることは超絶大事です。そして「あなた」が来てくれることが嬉しいことを伝えましょう。「誰が来てくれても嬉しい」じゃなくて

もう一度背景説明することで、異動先上司も現上司も同じ認識であるというのを伝え、認識が揃っていることで安心してもらいたさ
ここで現状の上司には言えないことであったり、異動に対する不安であったりが出てくると最高
それを乗り越えるための示唆であったり手段、寄り添う姿勢などが伝わるとより最高

3.該当者への意向確認

概要:異動についてぶっちゃけどうよ?を適してそうな人が確認
メンバー:人事、現上司、異動先上司のどなたか?

お話してOKそうなら次に進めますし、気になることがあれば軽いmtgとかチャットで懸念点を探っていきます
ここでノックアウトファクターが見つかった場合も一旦ストップしましょう

4.異動合意

概要:異動の合意をいただく
メンバー:異動先上司と現上司と人事

異動がウェルカムである。という異動先。寂しいけれど送り出すぜ!とう現上司
そして具体的にいつまでに異動。どのように引き継ぎのおおまかなアウトラインをここで合意しときます
で、人事さんもいることで条件面とかの質問に回答できるようにします
心配を取り除いて異動に前向きに合意してもらえると最高です

5.合意のアナウンス(一部)

現状チームと異動先チームに異動することの情報開示(できれば物理的な準備と心の準備があるので異動1か月以上前が望ましい)
本人もそうだし、受け入れ先も関心期→準備期にもっていくようにします

6.異動のアナウンス(全体)

異動の1ヶ月以上前に行うのが望ましいです
これも全体の関心期→準備期のためになります

7.異動後のアフターフォロー

異動後1か月くらいで人事の方(異動前上司とも異動先上司とも違うリスクフリー寄りの方)から1on1で異動後どうよ?を伺います
そこで見えてなかったノックアウトファクターを拾ったり、いかにスムーズになじめるポイントを見定めていきます

8.定着後のアフターフォロー

異動して定着したタイミング(半年とか1年)でヒアリング(異動先上司がいいかも)
どういう行動が良くて、これはいらなかったとか辛かったなどを聞いて人事にフィードバックします

その他

上司の方の習熟度によっては各打ち合わせに人事の方など適切な方に入ってフォローしてもらうこともありです
ちなみにすんごい大きい異動とかになると準備期に入るのが長めになったりしますので、異動する3〜6か月前に打診したりすることも

この手順導入がめんどい(導入に前向きになりづらい)組織の場合、 * 0.異動の背景把握 * 2.異動先上司との面談 だけでも入るとちょっと楽になったり

最後に

ふわっとした会社都合で該当者の人生を毀損させるのもなんか本末転倒だと思いますので、メンバーがなるべく前向きかつ定着しやすい異動に向けた環境整備をしていきたいですね